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わけっこてんし



 ”わけっこてんし” 

むかしむかし  あのしろい  くものうえには
たくさんの  てんしがいました

そのなかに  わけっこてんし  という
ちいさな  てんしがありました

そのてんしは  なまえのとおり
なんでもかんでも  だれかと  わけっこするのです

あるとき  わけっこてんしは   かみさまのおつかいで
りょうていっぱい   にもつを  もっていました

そこで   おなじように  いっぱいの  にもつを
はこんでいる  てんしに  であいました

すると  わけっこてんしは   いいました

『 ぼくのと  わけっこしよう  』

そして  つづけて  いいました

『 おもさは  かわらないけどさ

ほら  だいすきな  きみの

にもつも  もっているんだと

おもうと  かるくなるよ

じぶんの  にもつだけ

はこんでいるのなら  いやになって

ぽい したく  なっちゃうもの  』

そうして  ふたりは  おたがいのにもつを
わけっこして  はおんでいくことができました



あるとき  とてもつめたい  くもがやってきて
そらいっぱい  ゆきをふらせました

そんなとき  さむさにこごえて  ふるえている
てんしに  であいました

はじめて  ゆうひであんだ  てぶくろをはめていた
わけっこてんしは  いいました

『 ぼくのを  わけっこしようよ  』

そうして  ふたりは  かたほうずつ
てぶくろを  はめました

てぶくろを  はめていないては

ぎゅっと  つないだので

ふたりのては  とても  あたたかくなり

さむさも  とんでいってしまいました


あるとき  わけっこてんしは

とても  うれしいことにがありました

そこへ  おなじようなに  うれしそうにしている

てんしが  やってきました

わけっこてんしは  いいました

『 ぼくのと  わけっこしよう  』

そうしてふたりは  おたがいのうれしいことを

わけっこして  よろこびあいました

うつくしい  よろこびのうたは

そらいっぱいに  ひろがっていきました


あるとき  わけっこてんしは  なみだを  ぽろぽろ

ながしている  にんげんを  みかけました

わけっこてんしは  くものしたにおりたら  はねをなくす  という  

かみさまとのやくそくをやぶって  

にんげんのせかいへ   やってきてしまいました

わけっこてんしは  かなしみも  なみだも

もっていませんでしたが   こういいました

『 ぼくと   わけっこしよう  』 

そして  わけっこてんしは  そのにんげんといっしょに

なみだを  ぽろぽろ  ながしました


あるとき  わけっこてんしは

とても  おなかを  すかせていました

にんげんのせかいに  おりたため

なにか  たべなくてはいけなくなってしまったのです

かわいそうにおもった  かみさまは

ひとかけらの  わたがしぐもを  ふらせました

わけっこてんしが  ちょうど  それを  たべようとしたとき

おなかをすかせて たおれている  こどもを  みつけました

わたがしぐもは  ほんのちょっとしか  ありません

しかし  わけっこてんしは  いいました

『 ぼくのを  わけっこしよう  』

おなかをすかせた  こどもは

たいへん  よろこびました

わたがしぐもは  わずかでしたので

おなかいっぱいには  なりませんでしたが

ふたりは  じゅうぶん  まんぞくしました

そして  また  あるとき・・・・・・・

わけっこてんしは  やまいで  くるしそうにしている

カンガルーに  であいました

そのカンガルーは

ちいさなあかんぼうを  おなかにかかえ


「 わたしが  いなくなったら  

  このこは  いきていけない  

  どうしたら  よいのでしょう・・・・・・・」

と  なみだをながして  いいました

『 ・・・・ぼくのを   わけっこしよう・・・・ 』

いのちを  わけてはいけないという  というきまりは

しっかり  おぼえていましたが 

わけっこてんしは  そのカンガルーに  

こどもがおおきくなるまでの  あいだの

いのちを  わけっこしました

こうして  わけっこてんしは

えいえんのいのちを  なくしました


いままで  わけっこてんしと  なにかを

わけっこしたものたちは  おなじように

わけっこしあうように  なりました


こうして くものうえも  したも

まえより  ずっと  いいせかいになりましたが

てんしたちが  くるしんだり  こまったりしている

にんげんや  どうぶつたちのために

つぎつぎと  ちじょうへ  おりてしまったので

くものうえから  てんしたちは  いなくなってしまいました


かみさまは  たいそう  かなしみ

おおつぶの  なみだを  こぼしました


しかし  きがついたら  どうでしょう・・・・・・


かみさまのかなしみを  わけっこして

くものしたは  わけっこてんしたちの なみだで

うみが  できてしまっていました

  
わけっこてんしたちの  こころによって


かみさまのかなしみは  いやされ


よろこびで  みたされました


そこで  かみさまは  ごほうびに

あたらしい  きまりを  つくりました


 かなしみや いたみを わけあったら

   つよい  きずなが  うまれ 

   こころから  よろこびを  わけあったら

    わたしが  

    いのちの ひかりを わけあたえよう 


この  あたらしい  きまりを  


わけっこてんしたちは  おたがいに  よろこびあい


なみだのうみは  ひかりのうみに  かわっていきました


こうして  つよい  きずなで  むすばれた


かみさまと  くものしたの  わけっこてんしたちは


いつまでも  わけっこをつづけ


いまでも  せかいじゅうに  わけっこてんしたちが


ふえつづけているのであります


   ” お し ま い ” 
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  1. 2008/07/20(日) 12:14:01|
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